介護職の求人には社会保険完備という表記がありますが、パート職員として働く介護職にとってはデメリットと感じてしまう人が少なくありません。24時間介護職は常に必要な人材として求められていますが、フルタイム勤務の正社員だけではなく非正規雇用となるパート職員も少なくありません。パート勤務の場合に社会保険加入条件は、正社員の3分の4以上勤務する週30時間または月8万8千円を継続して1年以上得る見込みがある年収106万円を越える場合が対象となります。社会保険加入は条件を満たしたら強制加入となるので、被扶養者から外れて自分で社会保険へ加入しなければなりません。
社会保険料は介護職の雇い主である会社と本人が折半することになりますが、厚生年金にも同時に加入することになるので年収106万円へ僅かに足りない人よりも手取り収入が下がります。社会保険の被扶養者として社会保険料の支払いが不要だった状態と比較すれば、家族の扶養に入れず自分で社会保険へ加入しなければならない状態を嫌がる人が少なくありません。家族にとっても扶養家族から外れてしまうことは、世帯年収を考えた時に介護職の勤務時間数を増やさないとマイナスになったままです。
さらに、パートタイム勤務の場合には、決められたシフト内でしか働けないので、手取り年収が社会保険加入により下がるとしても急に勤務時間を増やしてもらえません。フルタイム勤務へ切り替える交渉を行う以外には、むしろ最初から106万円の壁を越えないように計算して働けば良かったという考え方があります。